法別番号とは、保健適応になる医療費の一部を公費で負担してもらえる場合につく「公費負担医療の受給者番号」などにつく番号の上2桁の数字で、特定疾患治療研究事業による医療費公費負担の番号は51です。以下、「特定疾患治療研究事業による医療費公費負担」を51と略します。(たぶん、法的根拠が難病新法に移っても、51という法別番号は変わらないと思います。)

  後縦靭帯骨化症(OPLL)は、51対象の病気です。 51対象の病気一覧はこちらですが、51の実施主体は都道府県ですので自治体独自の公費負担が実施されている場合もあります。医療ソーシャルワーカー(MSW)などの方は、近隣の都道府県の51対象の病気を把握しておいてもらった方が良いと思います。(自治体独自にどんなものがあるかについては、お住まいの都道府県にお問い合わせください。)

 (後ろが長文になってしまったんで(汗))

  51対象の病気と診断されたら、高額な治療を受ける前に申請出来るように準備してもらいましょう

 (病院のスタッフ(医師、看護師や診療科配属のサポートスタッフ)の大半は患者負担がいくらになるか?ということに基本的に興味がない上に制度についての理解が浅いため、診断書などが間に合わなくなる危険性があるからです)

  なんで、これが必要なのか? それは、公費負担の起算日が「申請日」だからです。

 難病指定されるような病気の患者さんは、一般的には漠然とした体調不良などで病院に通いってはいるものの、いつまで経っても直らないからしょうがないんで病院をかえて….. ってことを年余に渡って繰り返し、ようやく診断にこぎつけるというのが多いのでは?と思います。 公費で医療費を負担してくれるんだったら、診断が下る前からの分も全部負担して欲しいって気持ちが無きにしも非ずですが、51は「治療方法を確立するための研究費のようなもの」という性質をもちます。

 というのが、51を申請するとそれ以後の受給者が受けた医療の情報は基本的にその病気の研究班に送られることになります。ぶっちゃけた話、ものすごい個人情報の塊です。したがって、医療サイドの人間の勝手な判断で医療情報を研究に使うと、訴訟問題に発展しかねません。ですから、51申請=「自分が受けた治療を研究に使ってOKですという、患者の側の同意」が必要なのです。

  で、前回の話にようやくつながります。 細かい記録が残っていたので前回より日程を正確に書きますと、私が検査入院したのが、2011年2/28~3/5。3/4の夕方にOPLLであることが告げられ、4/7入院、4/8頚椎椎弓形成術を受けることに決まりました。私はOPLLが公費負担の対象になる病気であることを知っていたので、その段階でT先生(執刀医)に申請に必要な診断書などの準備をお願いしたのですが、「自治体に診断書の元があるので、申し訳ないですけど取り寄せてください」とのこと。退院した日は土曜日でしたから、3/7(月)に申請書を保健所(の出張所)にもらいに行き、病院の外来に診断書を書いてもらうようにお願いに行きました。

 外来の担当の人は、「診断書を検査入院の時の担当医(T先生ではない医師。若いDrという印象しか残っていません。)が書くのに2週間、その後、その指示に従って貸し出し用のレントゲンを用意するのに1週間程度の時間がかかります」とおっしゃったので、それならば次の入院に間に合うなと思ったんです。

 ところが、3週間以上経過した4/1(金)になっても診断書は「出来てません」状態。さすがに入院に本当に間に合うのか不安になったので、診断書の進捗状況を確認したところ、
・まだ診断書が上がってきていない
・診断書を書く担当医は次の水曜日(4/6)まで外来の診察には来ない
・レントゲンは、Drに診断書を書いてもらってから用意するこので更に一週間ほど掛かる
との返答。

 つまり、「診断書は、入院の前に出すことが出来ない」とのことなんです。

 このときは、51申請についての理解が乏しかったので、「入院中に申請すれば大丈夫なのかな?」(そうじゃなかったら、病院もそんなにノンビリしないだろう)くらいに思って病院を後にしたんですが、だんだん不安が募ってきて、申請の書類を読み返してみたら、「申請日以降の医療が対象となる」と明記してあります。したがって、入院する前に申請しないと、51の審査が通っても手術費用が公費の対象にならないんです。

 もしかしたら何らかの手段で融通が付けられるんじゃないか?と思って病院の会計の窓口に問い合わせたところ、今回の場合の手術費が公費の対象となりうるかの明確な返答は得られず。『確実なのは入院前に申請書を出していただく事なので、整形外科の外来と相談してください』と電話を回されてしまいました。何とかなりませんか?とお願いしても整形の外来の担当の返答は先の返答と変わらず。

 さすがに、頭にきたので「担当医が診断書を書くのに2週間程度といっていたのに、1ヵ月たってもまだ書いてないというのは、どういうことでしょう? いくら、Drが忙しいといっても酷いと思います。入院前に申請しないと、51の審査が通っても次の入院が公費の対象とならず、7万円くらい医療費に差が出ることになるんですがどうしていただけますか?」と文句をいいました。もちろん、心の中では『てめぇ、審査が通って返ってくるはずの金が返ってこなかったら、その分の金を病院で負担してもらうぞ!』と思っていましたので、声にかなりの迫力があったと思います。(今にして思えば、これから命を預ける病院に対して大胆なことをしたなとは思いましたが、当時の私にとって(というか今でも)7万円は大金です。泣き寝入りはできませんでした。)

 ここにきてようやく「執刀医のT先生に明日(4/2(土))相談して何とかしてもらうようにしますので、お待ちいただけ無いでしょうか」との病院からのお申し出がありいったん引き下がることに。

 いっぽうで、私も単に病院任せにしていて損をしたくないと思っていましたので、4/4(月)に保健所の出張所に出向きました。当初「それは病院のせいですから…。」的な対応(まぁ、もっともといえばもっともなんですが(苦笑))をされたのですが、もう一度食い下がり「これをどうにかしてもらえないと、私が悪いわけでもないのに、次の入院が51通っても公費の対象にならず、7万くらい損をしてしまうんです」と懇願したところ、

・申請書の受理印を4/4として押印
・診断書とレントゲンが出来たら、すぐにこの窓口に持ってきてもらい、受理証はその時に渡す

という、極めて柔軟な対応をしてくださいました。

 そして、4/4に、整形外科外来に進捗を伺いに行ったところ、

・診断書は相談したその場で書いてもらえた(4/2に出来上がった)
・レントゲンもその場で指示を出してもらえ、もう出来上がっているので今(4/4)渡せる

これより前の1ケ月は一体なんだったんだろう。 というのはもう言いっこなしにして、T先生の迅速な対応の感謝の意を伝えるとともに、「実は保健所でも上記のような対応をしてもらうことが出来ましたので、私以外で同じようなトラブルが生じたときの参考にしてみてくださいね」と余計なことを申し添えて入院に備えることといたしました。

続きはまた今度